サスペンス

映画「影裏」ネタバレとあらすじ、結末と感想(最新情報!)

「影裏」あらすじと結末(ネタバレ)、感想や作品情報をご紹介します。

第157回の芥川賞を受賞した沼田真佑さんの『影裏』が映画化となりました。

突然行方をくらませた友人の痕跡を追いながら、友人が抱えていた裏の顔について知っていく、ヒューマンミステリー映画です。

早速、あらすじ(ネタバレあり)や作品情報など見ていきましょう! 

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映画「影裏」作品情報!

【日本公開】2020年2月14日

【原作】沼田真佑『影裏(えいり)』

【監督】大友啓史

【脚本】澤井香織

【配給】ソニー・ミュージックエンタテインメント

原作は第157回の芥川賞を受賞した沼田真佑さんの『影裏』で、沼田さんのデビュー作でもあります。

メガホンをとったのは映画『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督。

「影裏」キャスト 

  • 今野秋一:綾野剛
  • 日浅典博:松田龍平
  • 副島和哉:中村倫也
  • 日浅征吾:國村隼
  • 鈴村早苗:永島暎子
  • 日浅馨:安田顕
  • 西山:筒井真理子
  • 清人:平埜生成

主演は、映画『日本で一番悪い奴ら(2016年)』で第40回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞した綾野剛さん。

主人公の同僚であり、行方不明となる謎多き人物・日浅典博を、映画『舟を編む(2013年)』で第37回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した松田龍平さん。

そのほかにも、中村倫也さん、國村隼さんをはじめ、多数の俳優陣が終結しています。

2019年第二回海南国際映画祭にて松田龍平さんがベストアクター賞を受賞しました。

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「影裏」あらすじ(ネタバレあり!)

転勤で岩手の盛岡へと移り住んだ今野秋一。

慣れない土地で出会った男・日浅典博は会社の同僚でした。

日浅と共に過ごすうちに、徐々に心を許し、二人はいつしか親友のように親しくなりました。

共に酒を飲み、ときには釣りをし、ささいなことで笑いあう、まるで青春のような日々でした。

あるとき、夜釣りに出かけた二人でしたが、些細なことで喧嘩になります。

焚き火の灯りに照らされながら日浅は

「知った気になるな。人を見るときは、その裏側、“影の一番濃いところ”をみるんだよ」

と意味深に告げるのでした。

いままでの態度とは違う日浅に戸惑い、朝まで飲もうという誘いを断って今野は帰宅しました。

そんな歯切れの悪い夜が、二人の最後の日だったのです。

今野は数ヵ月後に同僚・西山から、日浅が行方不明で生死も不明だと聞かされます。

日浅の痕跡を追い始めた今野は、日浅の父や兄へと会いに行きます。

しかし家族達は彼のことは、縁を切ったからと突き放すのでした。

追えば追うほどに見えてくる日浅の素顔は、まったく知るものとは異なっていて……。

以下原作の結末ネタバレ。(ネタバレ注意!)

日浅が会社を辞めてからは、まったく連絡が取ることができませんでした。

ある日、今野へ連絡がはいりますが、相手は日浅ではなく、副島和哉という人物でした。

仙台まで出張に来ているという連絡で、久しぶりに電話で話すことにした今野。

副島は、今野の元恋人で、最近性別適合手術を受けて女性になったようで、電話口の声は女性のものでした。

しばらくしてようやく日浅から連絡があり、久々の再会を果たします。

なんでも彼は冠婚葬祭に携わる会社の互助会の、営業マンとして働いているそうです。

見た目もすっかり変わっていて、営業トップを築いていると語るのでした。

その後も何度か会ううちに、日浅は今野も互助会に加入してほしいと勧誘するのでした。

ノルマを果たすためだと頼み込まれた今野は、契約をします。

しかしその後、3月11日に震災が起こり、同僚の西山から“日浅は死んだかもしれない”と聞かされるのでした。

釣りが好きだった彼が、当日も海辺にいた可能性は大いにありえます。

彼とかつて飲み歩いたお店や、思い当たる場所をめぐる今野でしたが、日浅を見つけることはできませんでした。

その代わりに見つかるのは、日浅という男の素性について。

彼は西山へ契約のお願いや借金をしていたり、友人や知人への強引な契約をお願いなど繰り返していました。

悪人というほどではないものの、良い印象を持たないような人物。

しかし、それでも今野は日浅を、“強かな人間”だとポジティブに感じるのでした。

今野が最後の手段として訪れたのは、日浅の実家でした。

家族と上手くいっていないことはそれとなく知っていたものの、他に方法がみつからなかったのです。

日浅の父は、彼が行方不明になって3ヶ月が経つというのに、捜索願を出す様子がありませんでした。

彼とはもう縁を切ったというのです。

日浅は大学の卒業証書を偽造し、学歴を偽っていたのでした。

その卒業証書を偽造した人物から父親は金銭を要求された過去があり、お金を振り込んでいたのです。

しかしそのお金は『口止め料』ではなく、息子と縁を切る決意を固めることができたことに対する『謝礼金』。

あんな人間を探すことは止めたほうが良いとだけ言い、話を終えるのでした。

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映画「影裏」感想

沼田真佑さんの小説『影裏』が映画化となりました。

公開を前に試写会へ参加された方々からの感想が、続々とSNS上へ投稿されています。

ドラマティックなわけではないけれど、終始絡みつくような雰囲気のある映画でした。見終わった後のスッキリとしないながらも、じっとりとする後味が絶妙
静かな日常を描いていて、どこをとっても繊細で、心に深く残る作品でした
俳優陣がつくりだす独特な世界観が印象的で、見た人それぞれに答えをゆだねているような映画でした
岩手の風景や、水をモチーフとした映像演出も見応えがあり、芸術作品のような美しさがありました。短い出演のなかで爪痕を残す中村倫也さんが印象的

全体的に、主演の綾野剛さんや松田龍平さんが作り出す、独特な雰囲気が印象強く、短い出演シーンながらも新しい役柄へチャレンジした、中村倫也さんへの高い評価も投稿されていました。

映画「影裏」ネタバレとあらすじ:まとめ

「影裏」あらすじと結末(ネタバレ)、感想や作品情報をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

原作小説『影裏』も、読者へ読解をゆだねる部分が多い作品といわれていますが、映画でもその印象を受け継いで、見た人それぞれの心に残る作品へと仕上がっているようです。

原作と違っている部分はあるのかどうか、映像化によって受ける印象も異なっているのか、公開が楽しみですね。