映画「バニシング」(2020年)あらすじ(結末までのネタバレあり)と、感想や作品情報をご紹介したします。
1900年12月、スコットランド沖の北大西洋に浮かぶ孤島で、3人の灯台守が突然失踪しました。
これは【フラナン諸島の謎】と言われる、実在の失踪事件を元にしたお話です。
100年以上も経った今も尚、真相は謎のままなのです。
世界的に有名なこの未解決事件を題材にした、新しい仮説と解釈で描くミステリースリラーです。
記事の内容
映画「バニシング」(2020年)作品情報
映画「バニシング」公開決定!!
ジェラルド・バトラー主演×「THE KILLING /キリング」監督
実在の人間消失事件《フラナン諸島の謎》に迫る、衝撃のミステリアス・スリラー!!
2020年1月24日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿他順次ロードショー
公式サイトhttps://t.co/0OC6wPSWk7 pic.twitter.com/g3JCjpRUbR— 映画配給会社アルバトロス (@albatros_dvd) October 10, 2019
原題:KEEPERS
日本公開:2020年1月24日
監督:クリストファー・ニーホムル
監督のクリストファー・ニーホムルは、元はコマーシャルやドキュメンタリーの作品を多く手がけていましたが、2007年デンマークで社会現象にもなり、アメリカでもリメイクされたドラマ、「THE KILLING」のメイン監督を務めた事でも有名です。
この作品は国際エミー賞に3年連続ノミネートされている程の人気作です。
またこの作品を経てから、ジャン・レノ主演のフランスドラマ「刑事ジョー」やトム・バティ主演の「TABOO」といった、大作ドラマシリーズの監督を務めています。
今作品は監督の初めての、長編デビュー作になっています。
映画「バニシング」(2020年)登場人物とキャスト
- ジェームズ:ジェラルド・バトラー
- ドナルド:コナー・スウィンデルズ
- トマス:ピーター・ミュラン
ジェームズ役のジェラルド・バトラーは、1997年に俳優デビューし「トゥームレイダー2」や「オペラ座の怪人」等で人気を集め、2007年「300(スリーハンドレッド)」のレオニダス王を演じ、名実ともに有名俳優の仲間入りを果たしました。
近年はプロデューサーとしても参加することもあり、今作品は 企画に惚れ込んで、自らのプロダクションで本作を制作しました。
ドナルド役のコナー・スツィンデルズは若干20歳の若手俳優で、今作品が初めての長編映画デビュー作になります。
トマス役のピーター・ミュランは俳優でありながらも、脚本、監督としても活躍しています。
俳優としては「トレインスポッティング」「ブレイブハート」等数多くの有名作に出演しています。
ピーターは、1998年ケン・ローチ監督の「マイ・ネーム・イズ・ジョー」では、カンヌ国際映画祭男優賞を受賞しました。
監督としての実力もめざましいもので、2002年「オーファンズ」で、ヴェネツィア国際映画祭のプレミア入りを果たし、2002年の「マグダレンの祈り」では脚本、監督を務め、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞しています。
映画「バニシング」(2020年)あらすじ(ネタバレあり)
【フラナン諸島の謎】
フラナン諸島アイリーン・モア島は、無人島に侵入してくる人を歓迎しない妖精がいると伝えられています。
この付近の海は難所とされていて、航行している船の為に灯台が設けられています。
1900年12月に、島の沖を航行している貨物船が、灯台が消えている事に気づきました。
調査隊を送るとそこにいるはずの3人は忽然と姿を消してしまいました。
人のいない寂れた孤島で行われる謎の物語、一体3人に何が起こったのでしょうか。
主人公のジェームスと若いドナルド、歳をとったトマスの3人のいる灯台のある島で「男の死体」が見つかったことから話が始まります。
死体を調べに傾斜の急な岸に降りてみると、なんと死体だった男は起き上がり様子を見に来た、ドナルドに襲い掛かります。
何とか命を守ったドナルドですが、死んでしまった男の荷物から金塊がみつかり…そこから三人を取り囲む安穏な生活は一転してしまいます。
果たして三人のとった行動とは…?
ここから、結末までのネタバレを含みます。(ネタバレ注意!)
殺してしまった男の仲間の船乗り2人が、灯台にたどり着き、死んだ男と彼の荷物について尋ねます。
3人はそんな男は来ていないと嘘をつきますが、ちょっとしたことでその嘘がバレてしまいます。
怒り狂った、男の仲間の2人が3人に襲い掛かります。
辛くも暗闇の中で、二人を殺し、そこに3人目の存在に気がついた、ジェームスがその3人目を殺してしまいました。
改めて3人目を見ると、ジェームスの子供と変わらない年齢の子供でした。
そんな自分の子供と同じような年齢の子供を殺してしまった罪悪感と、3人の間に金塊をめぐっての違和感から、ジェームスが精神的におかしくなってしまいます。
ドナルドとトマスに襲いかかってきたジェームスに、ドナルドは殺され、トマスは彼を気絶させることに成功し、ジェームスは正気に戻ります。
2人で金塊とともに灯台を離れることになったのですが、罪悪感に耐えられないジェームスは、トマスに手伝ってもらい、自殺を遂げます。
その後一人になったトマスは、灯台を後にするのでした。
映画「バニシング」(2020年)感想
「THE KILLING」で、クリストファー・ニーホムル監督が作り出した物語の独特な進み方が今回の映画でも見られます。
話の筋書きだけだと、結論もわかったような、何ともないサスペンスのように思えるのですが、「人間心理の闇」を抉るようなジワジワとした息苦しさを感じる追い詰め方を描きます。
予告編を見た方の感想では、
という印象を持たれる方も多いですが、昔から伝えられる【フラナン諸島の謎】についてのミステリーなので、殺人事件が物語の中心ではなく、何故あの3人が居なくなったのか?というミステリーに迫っている内容です。
人の持つ欲望や猜疑心、果てには人間の孤独など、普段はあまり外に出さない感情が、ある意味閉ざされた空間の中で、あることをきっかけにむき出しにされていき、物語が進んでいきます。
映画「バニシング」(2020年)まとめ
北欧のドラマや映画は最期に、人の世の真理を突きつけてくる独特の展開が多く、スカッとした内容というより、世の中の情理を描くものが多いので、悲鳴をあげるという感じではなく、唸らされる感嘆の声が漏れる展開になっています。
何気ない一言や行動が、最後にこんなになっていくのか!という驚きもありますのでじっくり観察してみてください!
それと、多く書かれていたのが、
先に公開されている「ザ・バニシング 消失」と混乱する人が多いようです。
どちらも人が「消える」映画ですが、全く別映画です。
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