『ドッグマン』は、カンヌ国際映画祭にて、二度のグランプリを受賞し、世に衝撃の問題作を、次々と放つイタリアの巨匠、マッテオ・ガローネ監督が手がけました。
1980年代に、イタリアで実際に起こった殺人事件をもとに、作られた不条理ドラマです。
イタリア映画の最高峰「ダビッド・ディ・ドナテッロ賞」にて最多受賞を果たしたほか、世界各国の映画祭でも注目を浴びました。
早速、今年一番の話題作、『ドッグマン』について、ご紹介いたします!
『ドッグマン』作品紹介
#Dogman ha vinto agli @EuroFilmAwards 2018 il #PrixCarloDiPalma nelle categorie European Costume Designer e European Hair & Make-Up Artist!
La premiazione avverrà il 15 dicembre.#BuonaDomenica #18novembre pic.twitter.com/3eD9ZNkKAM
— Marcello Fonte (@iosonomarcello) 2018年11月18日
日本公開:2019年8月23日(金)
原題:DOGMAN
監督:マッテオ・ガローネ
脚本:ウーゴ・キーティ、マルリツィオ・ブラウッチ、マッテオ・ガローネ、マッシモ・ガウディオソ
キャスト:マルチェロ・フォンテ(マルチェロ役)
エドアルド・ペーシェ(シモーネ役)
ヌンツィア・スキャーノ(シモーネの母役)
アダモ・ディオニージ(フランコ役)
フランチェスコ・アクアローリ(ビデオロトリーの所有者役)
作品概要
#Cannes2018 pic.twitter.com/HtQZXnf9YD
— Marcello Fonte (@iosonomarcello) 2018年5月19日
2008年に「ゴモラ」、2012年に「リアリティ」で二度のカンヌ国際映画祭グランプリを受賞したイタリアの巨匠、マッテオ・ガローネ監督による、1980年代のイタリアで実際にあった殺人事件を題材に、不条理な世界を巧妙に描いた最新作『ドッグマン』。
「五日物語~3つの王国と3人の女~」などでも知られ、社会の裏側に存在する「闇」にスポットをあて、そのたびに世の中に衝撃を与えてきたイタリアの巨匠、マッテオ・ガローネ監督。
主演のマルチェロ・フォンテは、カンヌ国際映画祭にて主演男優賞を受賞し、その上、伊アカデミー賞とも言われるダビッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞・監督賞ほか、最多の9部門を受賞しました。
『ドッグマン』あらすじ(ネタバレあり!)
あらすじ(ネタバレあり!)
主人公のマッチェロは、イタリアのとある海辺の田舎町で、質素ながらも懸命に『ドッグマン』という名のトリミングサロンを経営していました。
彼の生きがいは、家族のような犬たちと、別れた妻と暮らす、最愛の娘の存在。
愛深く、温和で心の優しい性格のマッチェロは、町の住人との関係も良く、仲間との食事やサッカーを楽しむ平穏な日々を送っていました。
しかし、そんなマッチェロは一方で、心の優しさ故か、暴力的で支配欲の強い友人シモーネとの従順関係から抜け出せず、シモーネに言われるがままに、ドラッグの売買や窃盗に手を染めていました。
Daje @Edoardo_Pesce daje!#David2019 @PremiDavid pic.twitter.com/lr2RAV7Kh0
— Marcello Fonte (@iosonomarcello) 2019年3月27日
ある日、シモーネから、ある儲け話を持ち掛けられたマッチェロは、今度ばかりは、と必死に抵抗しましたが、獰猛なシモーネには逆らうことができず、事件に巻き込まれて逮捕されてしまいます。
警察は裏に、シモーネがいることを知っていて、マッチェロに自白すれば、罪は免れることを伝えるのですが、彼は口を割りませんでした。
その結果、1年間の服役が決まり、平穏だったマッチェロの日常は一変し、『ドッグマン』の顧客や、仲間たちとの友情、町の住民との信頼関係も失ってしまいます。
彼の心の中で何かが変わっていきます。
生きがいだった最愛の娘にも、会うことができなくなったマッチェロは、自分の平穏な生活を取り戻し、娘の願いである、南の国での高級ホリデーの夢を叶えるべく、ついにシモーネに立ち向かう決心をしましたが…。
ここから、結末に至るまでのネタバレが書いてあります!(映画がまだの方は閲覧注意!)
『ドッグマン』感想や口コミ
Grazie #MatteoGarrone
Sei unico!#David2019 #Dogman pic.twitter.com/qgfQK6mkaU— Marcello Fonte (@iosonomarcello) 2019年3月27日
カンヌ国際映画祭では、主演のマッチェロ・フォンテが、暴力に支配され、抗うことのできない悲痛な運命を背負うことになった主人公の迫真の演技で、主演男優賞を受賞しています。
その事からもわかるように、
マッチェロの、奇妙で哀れな心情に、同情を抱いてしまう
という声が多く上げられています。
ある映画専門サイトにおいても、
厳しい言葉にも関わらず、悪魔との取引をする、主人公のその優しすぎる心には、同情すら覚える。
と、述べられています。
また、ロサンジェルス・タイムスでは、
我々が、マッチェロを通して『ドッグマン』になる時、この映画に、人と動物、恐れと優しさを、さらにはいつの間にか、自分たちで知らずに作っている檻の存在を見るだろう。
と語っています。
反対に、マッチェロの優しさを、「心の弱さ」ととらえ、
シモーネに都合よく利用され続けるマッチェロに苛立ちが募った。
という口コミも散見されました。
あっさり過ぎて物足りない。
主人公を突き放しすぎる内容で、後味が悪い。
という意見もありましたが、長めの間取りや、息遣いが聞こえそうなほど、近くからのカメラワーク、心理的で観客を巻き込むストーリー展開に、
受賞もうなずける内容。まさに、圧巻!
と、余韻に浸れる内容だったと言えそうです。
今年一番の話題作『ドッグマン』は、2019年8月23日から全国公開します!



