2009年に起きた、ソマリア海賊による「マークス・アラバマ号」事件の直前に、ソマリアにて海賊に取材をしていた実在のジャーナリスト、ジェイ・ハバダー氏の手記を、「ブロンズ! ~私の銅メダル人生~」の、ブライアン・バックレイ監督が映画化した『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』が、この度2019年7月5日より緊急公開となります。
緊急公開を前に、『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』について一足先にご紹介いたします!
『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』作品情報
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日本公開:2019年7月5日(金)
原題:The Pirates of Somalia
監督:ブライアン・バックレイ
脚本:ブライアン・バックレイ
エヴァン・ピーターズ(ジェイ・ハバダー役)
アル・パチーノ(シーモア・トルビン役)
バーカッド・アブディ(アブディ役)
メラニー・グリフィス(ハバダーの母親役)
作品概要
『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』は、実在のカナダ人ジャーナリスト、ジェイ・ハバダー氏の手記、「The Pirates of Somalia: Inside Their Hidden World」に基づきます。
ジェイ・ハバダー氏が、ソマリア沖で米貨物船の船長が海賊に拉致された2009年の「マースク・アラバマ号事件」直前のソマリアにて、海賊を取材していた際の手記です。
その手記をもとに、ブライアン・バックレイ監督が映画化したものです。
主演である、ジェイ・ハバダー本人役を、「X-MEN」や「アメリカン・アニマルズ」等で知られ、昨今、実力派俳優として注目されている、エヴァン・ピーターズさんが演じます。

ジェイ・ハバダーがソマリアに行くきっかけとなった、伝説のジャーナリスト役を、「ゴッド・ファーザー」のアル・パチーノさんが演じます。
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『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』あらすじ (※ネタバレ無し)
「マースク・アラバマ号事件」が発生する前の、2008年。
ジャーナリストを夢見ながらも、行動に移すことが出来ず、毎日スーパーマーケットを渡り歩いて市場調査に勤しんでいた主人公、ジェイ・ハバダーは、ある日、偶然にもジャーナリスト界の伝説とも言われる男、シーモア・トルビンと遭遇します。
ジェイ・ハバダーは、伝説のジャーナリストに刺激を受け、自身もジャーナリストとしての功績を残そうと、ソマリアの現地取材に出発します。
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そこで、案内役として出会ったアブディと共に、ハバダーは、ソマリアにはびこる海賊やギャングへ危険を冒しながらも取材を続け、その傍ら、功績を残すために必死に執筆に励みました。
ソマリアでの生活は、外国人ジャーナリストにとっては命懸けの日々。
そこで取材に投じるうちに、ハバダーは次第にソマリアの海賊問題への興味がより深くなり、使命感が芽生え始めます。
そして、危険を顧みず、さらなる過酷な取材に挑み、帰国ののち、手記にまとめます。
そんな時に、ソマリア海賊による「マークス・アラバマ号」事件が発生し、彼の手記に、注目が集まることになりました。
追加情報がわかり次第、お届けいたします。
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『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』感想
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ソマリアで実際に取材にあたった際の手記をもとに、実話に基づいた映画にしたものであるだけに、ソマリア海賊の現状を、真摯に映像化しているものと期待をしている人も多いです。
人によっては、主人公ジェイ・ハバダーの「彼らは海賊ではなく、自分たちの海をただ守り、守るために税金を課しているだけ。」といったセリフに、「だだのピューリッツァー賞狙い。」と感じてしまうこともあるようです。
アメリカのエンタメ情報誌「バライティー」では、主人公に対し、「両親の家から飛び出し、キャリアを築こうと必死だが、それは愚かで、彼をヒーローとしてみるほどには魅かれない。」と、辛辣なコメントを掲載しました。
一般的なマスメディアからは、評価されているようで、原作の手記「The Pirates of Somalia: Inside Their Hidden World」を「ベストセラー候補」とまで表現しています。
実際に2009年「マースク・アラバマ号事件」も発生しているように、ソマリア海賊の問題は深刻であるが故、ブライアン・バックレイ監督の、コメディータッチのシナリオは、一部で「笑えないブラックコメディー」と称されてしまうこともあり、賛否の別れる映画ではあるかもしれません。
しかしながら、ある意味、社会問題にもなった、命を懸けたジャーナリズムを垣間見るには、実際の手記を映画化した『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』は、最適といえるのではないでしょうか?