2019年9月3日追記!!
2019年、注目ホラー映画『Us/アス』。
本作は、『ゲット・アウト』(2017年)で話題を集めた、ジョーダン・ピールが再びメガホンを取り、ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デュークなど今年注目の俳優が、キャストを務めたホラー映画です。
9月6日に公開が始まります。
既にアメリカでは公開されており、ホラーとして異例の大ヒットを収めています。
予告を見てもとにかく不気味で怖いこの映画、作品紹介とあらすじ(ネタバレ)を中心に見ていきましょう!
記事の内容
映画「アス」ジョーダン・ピール監督からの最新メッセージ到着、ハサミの象徴的な意味とは?
『#アス』特別映像解禁🎬
「ハサミはスリラーでよく使われる、恐怖を象徴するアイテムだ」#アカデミー賞 脚本賞受賞『#ゲット・アウト』
鬼才 #ジョーダン・ピール 監督最新作
9/6(金)#わたしたちがやってくる pic.twitter.com/7lYdy5JONh— 映画『アス』 (@usmoviejp) 2019年9月1日
2019年9月3日、最新情報追記!
映画「アス」の公開を直前に控え、ジョーダンピール監督から、映画で注目すべき点について、メッセージが届いています。
母親であるアデレードのドッペルゲンガー「レッド」がハサミを持って、
「切り取るよ。体の一部をね。」
とアデレードとその家族にせまるシーン。
その漆黒のシーンの中で、ギラつく白い目と、鈍く光るハサミ。
ジョーダン監督は、シーンのあちらこちらで、象徴的に「物」を登場させます。
彼が、今回の映画で、強く意識したのが、「ハサミ」の持つ日常性と恐怖感です。
この「ハサミ」に敬意を払うように、映像の中に登場させています。
2つの刃が一つに、左右対称である「ハサミ」。
日常的なものであるにも関わらず、非常に恐怖感を感じる。
それは、誰しもが心の奥底に隠している、罪の意識や犯した罪悪感など、人間の二面性を象徴するもののメタファーとして、登場させています。
自分の内面の奥底にある、対極的な自分自身が最も恐ろしい。
そこの部分を、今回の映画の題材としているのです。
Are you with US? Create your own movie art at https://t.co/qOpsvzZWVO. #USMovie #WatchYourself pic.twitter.com/9roeVOgIBp
— Lupita Nyong’o (@Lupita_Nyongo) March 7, 2019
映画『アス/Us』作品紹介
- タイトル:『Us/アス』
- 公開日:2019年9月6日
- 製作国:アメリカ
- 監督:ジョーダン・ピール
- 脚本:ジョーダン・ピール
- 製作会社:モンキーパー・プロダクションズ、パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
- 配給:東宝東和
- ルピタ・ニョンゴ:アデレード・ウィルソン役/レッド役(ドッペルゲンガー)
- ウィンストン・デューク:ゲイブ・ウィルソン役/アブラハム役(ドッペルゲンガー)
- シャハディー・ライト・ジョゼフ:長女ゾーラ役/アンブラ役(ドッペルゲンガー)
- エヴァン・アレックス:長男ジェイソン/プルート(ドッペルゲンガー)
- エリザベス・モス:キティ・テイラー/ダリア(ドッペルゲンガー)
- ティム・ハイデッカー:ジョシュ・テイラー/テックス(ドッペルゲンガー)
Us on Spring Break. #WatchYourself pic.twitter.com/r6NHPnY59V
— Lupita Nyong’o (@Lupita_Nyongo) April 3, 2019
本作の監督・脚本は、『ゲット・アウト』を手掛けたジョーダン・ピール。
『ゲット・アウト』と言えば、ダニエル・カルーヤが主演を務め、黒人差別問題も背景にした恐ろしい展開が印象に残ります。
低予算での製作ながら大ヒットし、第90回アカデミー賞で脚本賞を獲得したことも記憶に新しい作品です。
またピール監督は『ブラック・クランズマン』(2018年)の製作にも携わっており、近年のブラックムービーにおける実力者として認められている人物です。

『Us/アス』の主演は、『ブラックパンサー』(2018年)でヒロインを務めたルピタ・ニョンゴ。本作では一家の母親役を演じています。
ニョンゴは、『それでも夜は明ける』(2013年)で第86回アカデミー賞助演女優賞を獲得した演技派女優でもあります。
さらに、『ブラックパンサー』で人気を集めたウィンストン・デュークが一家の父親役として出演しています。キャストにも注目したいところです。
And who says the Jabari can’t be cuddled! #BlackPanther breaking records and sitting pretty! #Mbaku @Winston_Duke #BTS repost @makeupbytym pic.twitter.com/l48vp19UeH
— Lupita Nyong’o (@Lupita_Nyongo) March 21, 2018
映画『Us/アス』のあらすじと結末(ネタバレあり!)
夏のある日、主人公のアデレードとその夫ゲイブ、その二人の子供たちのウィルソン一家四人は、サンタクルーズのビーチへ休暇に出かけます。
実はアデレードは、幼少期にこのサンタクルーズのビーチでとある経験をし、現在は克服したものの失語症を患うほどのトラウマとなっていたという過去がありました。
アデレードは、そのトラウマから、サンタクルーズのビーチ行きを反対するのですが、結局は行くことに同意します。
休暇を一緒に過ごす、タイラー一家と落ち合い、ビーチで過ごします。
長男ジェイソンが、家族がいる場から、少し離れたところで、腕から血が滴って、立っている不思議な男を見つけます。
その場では何もなかったのですが、ビーチから家に戻ったその夜、停電が起こり、暗がりの中に、車寄せに、手を取り合った四人の影を、ジェイソンが目撃します。
ここから、核心に関係するネタバレになります!(ネタバレ注意!)
Here we go. #UsMovie get them tix.
pic.twitter.com/4s9H9gNOZF— Jordan Peele (@JordanPeele) March 21, 2019
夫のゲイブは、バットを持って、怪しい4人を追い払おうとしますが、逆に4人に押し切られ、家に侵入を許してしまいます。
リビングルームで、対峙した時に、その4人が自分たちと瓜二つの「ドッペルゲンガー」と知ります。
アデレードのドッペルゲンガーは「レッド」という名前で、「私たちも同じアメリカ人だ」と言い、アデレードをテーブルに拘束してしまいます。
レッドは続いて長女のゾーラに逃げるように言います。
逃げるゾーラを、ゾーラのドッペルゲンガー「アンブラ」に追いかけさせます。
ゲイブは、ゲイブのドッペルゲンガー「アブラハム」に殴られ、一瞬気を失います。
ジェイソンだけは、彼のドッペルゲンガー「プルート」を騙して、クローゼットに押し込め、その場から逃げることに成功しました。
レッドは、アデレードを殺そうと襲いかかってきますが、レッドがジェイソンが逃げたことに気を取られた隙に、アデレードは拘束を外し逃げ出します。
ゲイブは、ボートの上でアブラハムと一騎討ちとなり、ボートのスクリューにアブラハムを巻き込んで、アブラハムを殺害することに成功します。
そこに家から逃げてきた、アデレードとジェイソン、ゾーラとも合流し、ボートで海に逃げます。
友人のタイラー夫妻の家に行くと、すでにタイラー夫妻は大きなハサミを持った、タイラー夫妻のドッペルゲンガー、ダリアとテックスによって殺されていました。
ダリアとテックスをなんとか倒した4人でしたが、タイラーの家のTVのニュースで、このドッペルゲンガーによる殺戮は、アメリカ全土で起こっていることを知ります。
そして、本人のドッペルゲンガーが、本人と殺し合いをしていることを知ります。
タイラー夫妻の車で、街を離れるのですが、ゾーラのドッペルゲンガー、アンブラが追いつき、走っている車によじ登ってきます。
4人は、アンブラを、走っている車から振り落として殺害します。
その時、ドッペルゲンガーたちは、ビーチに大勢が集まり、手を繋ぎ合わせて巨大な人間の鎖を形成していました。
次の朝、ビーチに戻ってきた、4人の前に、長男ジェイソンのドッペルゲンガーのプルートが罠を仕掛けて待ち構えていました。
ジェイソンは、プルートが、彼の行動を真似することを利用して、うまくプルートを誘導し、自分の罠で、プルートを、殺害することに成功するのですが、そこに、アデレードのドッペルゲンガーのレッドが現れ、ジェイソンを連れ去ってしまいます。
レッドをアデレードが追いかけます。
Frightday! #UsMovie #FindYourself pic.twitter.com/ZMZ1lHofFo
— Lupita Nyong’o (@Lupita_Nyongo) April 5, 2019
追いかけているうちにビーチの遊園地についたアデレードが、アトラクションの、びっくりハウスの中のミラーハウスのなかに、地下へつながるトンネルを発見します。
そのトンネルは、ウサギが大量に飼われている地下施設へとつながっており、そこで、再び、アデレードは、レッドと対峙します。
レッドはそこで、ドッペルゲンガー達は、アメリカ政府によって、人民をコントロールするために秘密で実験された、クローン人間であることを、アデレードに伝えます。
実験に失敗した、アメリカ政府に、クローン達は地下に捨てられたと。
何年もかけて計画したクローン達は今回一斉に蜂起したと。
無意識にお互いの行動をコピーしてしまう、本人とクローン、アデレードとレッドは、お互い攻撃をけん制しながら戦います。
最終的に、アデレードが、レッドを、窒息させて殺します。
彼女は、ロッカーに隠れていたジェイソンを助けます。
再び、ゲイブとゾーラとも合流し、再び救急車で街を離れます。
ここからは結末のネタバレです!(ネタバレ超注意!)
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物語の最後のシーンで、昔の子供の頃にトラウマとなった事件の記憶を、アデレードが思い出しています。
子供の頃、レッドと対面したアデレードでしたが、実は、レッドがアデレードの首を絞め、地下のベッドに縛り付け、アデレードの服を奪い地上へと戻っていたのです。
実は、最初から、アデレードがドッペルゲンガーのレッドだった、ということが明らかに!
アメリカ全土にわたって、本人達を倒したクローン達が手を繋いで列を作っている様子が写り、物語が終わります。
映画『Us/アス』の評価と感想
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2019年3月22日に全米先行公開された『Us/アス』ですが、大成功を収め、多くの記録を打ち立てました。
週末興行収入ランキングは、初登場1位を獲得、本作は話題作『キャプテン・マーベル』の二週間後の公開になりましたが、その興収は『キャプテン・マーベル』のおよそ二倍という大ヒットとなりました。
また、オリジナルホラー作品及びR指定作品の、オープニング収入の歴代1位を更新したとのことです。
批評家からも絶賛の嵐で、米国映画レビューサイトRotten Tomattorsで支持率94%の高評価を得ています。
何と言っても、ルピタ・ニョンゴの演技が特に評価されているようです。
鬼才ジョーダン・ピール監督の野心溢れる異色で新感覚のホラーである点も絶賛されています。
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かなり意外かもしれませんが、このジョーダン・ピール監督は、普段は、キーガン・マイケル・キーさんと二人で、超人気コメディコンビ「キーアンドピール」として活躍しています。
さらに驚きなことに、この二人のコンビは、「トイストーリー4」の新キャラ、ダッキー&バニーの声優も務めています。
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『ゲット・アウト』でも、新鮮味溢れる展開が話題となりましたが、『Us/アス』ではまた違った魅力が見られると考えてよいでしょう。
様々な魅力を持つ鬼才ジョーダン・ピール監督です。
なお、『ゲット・アウト』は、黒人差別問題を根底に置いたストーリーになっていますが、『Us/アス』はそのような問題喚起の意識は特にないとのことです。
しかし、黒人が主要人物を占めていることも本作のポイントになっているようで、ブラックムービーとしても新たな側面を見られることが期待できそうです。


